漢方薬

腰痛や神経痛を和らげていく漢方薬

renoba
はじめに
  • 疼痛は日常生活を困難にするだけでなく、心にも影響を及ぼすことがあります。
  • 関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛…これらの厄介な問題は、生活の質を低下させる可能性があります。
  • しかし、心配することはありません。自然の力を借りてこれらの問題に対処する方法があります。それは、漢方薬の疎経活血湯です。
  • 本記事では、この古代の知恵がどのようにして身体の疼痛と戦うのか、そのメカニズムと効果的な使い方を解説します。

疎経活血湯(そけいかっけつとう):53

効果効能

コタロー、ツムラ

  • 腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛

クラシエ

  • 体力中等度で,痛みがあり,ときにしびれがあるものの次の諸症:
    • 関節痛,神経痛,腰痛,筋肉痛

こんな人に使ってほしい

  • 腰痛、坐骨神経痛、関節リウマチ、神経痛など主として腰より下の疼痛に強い薬です。
  • 寝違い、肩凝り、痛風にも使われます。
    • どちらかと言うと薬効を下げる生薬があるので下方向に強い様子。

全身どこでも痛みが走り、刺すような痛みがある者に用いる。左側が強く、また夜間に強くなる傾向がある。また、運動麻痺、脳出血の後遺症に用いる。

酒色といって、元気で酒飲みの中風に用いることが多い。

東医雑録(3)/山本 巌 著
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左側に強く症状が現れるのが何故なのか…?

→血虚があると左側が痛み、気虚があると右側が痛む。とされる。

リウマチなどは両側性に痛みが患部が出てくるのが特徴的とあり、痛風などは両側性ではないようなのでそんなところもある…?

どこで手に入る?

錠剤タイプ

  • クラシエさんから錠剤で出ています。
  • 1回4錠、1日3回なので8日分ですね。お試し用でしょう。
  • よく効いたら20日分買う方が経済的です。
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顆粒タイプ

  • 割高なので正直勧められるものが…。ない。

どんな薬?

構成生薬

  • 地黄(じおう)、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)、牛膝(ごしつ)、陳皮(ちんぴ)、威霊仙(いれいせん)、桃仁(とうにん)、防已(ぼうい)、羗活(きょうかつ)、防風(ぼうふう)、竜胆(りゅうたん)、白芷(びゃくし)、茯苓(ぶくりょう)、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう) で構成されています。
  • 四物湯(しもつとう)がそのまま含まれていてます。
    • :四物湯:地黄、当帰、川芎、芍薬

生薬ごとの役割

  • 地黄、当帰、川芎、芍薬:血虚の基本方剤で、補血して瘀血を取り除く作用があります。
  • 桃仁:駆瘀血薬で、四物湯と共同して血の巡りをよくして痛みを軽減してくれます。
  • 蒼朮、茯苓:関節、筋肉、消化管などの過剰な水分を利水作用により体内へ巡らせて排出してくれる。
  • 牛膝:主として腰から下の下焦のしびれや疼痛を軽減します。
  • 威霊仙、羗活、白芷、防已:去風湿して痛み止めとして作用する。どちらかと言うと上半身の痛みを取り除く。
    • 白芷:特に頭の方に働きかけて頭痛なども軽減してくれる。
    • 防已:消炎鎮痛作用がある。
  • 竜胆:消炎・鎮痛に働く。
  • 甘草:諸薬の調整役として働きます。
  • 陳皮、生姜:消化管運動を助けてくれます。
    • 陳皮:理気薬としても作用します。
    • 二陳湯去半夏:生姜、陳皮、甘草、茯苓が含まれていると解釈もできるのである程度胃への負担軽減を考慮されているか…。
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血(けつ)を巡らせつつ関節や筋肉にある余分な水分を放り出して痛み取るぞ!って感じの生薬構成ですね。

痛みが全身を走るという事で風邪が原因と考えられるため去風薬マシマシなのでしょう。

消炎作用のある生薬が少ないので明らかに腫れて痛む場合には向かないでしょう。

  • 葛根湯でも述べましたが、「不通則痛」:血の流れが滞っているために痛みが生じていると考えて血の巡りをよくするような生薬がふんだんに使われています。

注意点

地黄

  • 消化器症状が出現することがあります。
    • 生姜が含まれているためある程度緩和されると思われますが食前服用で食欲低下や腹部膨満感など現れたときは食後服用して様子を見てください。

川芎

  • のぼせることがあります。。
    • エキス剤では抜薬出来ないためある程度は我慢するか別の薬を選択することになりそうです。

腰痛や関節痛で考える類方

独活寄生湯(どっかつきせいとう)

  • 熟地黄、芍薬、当帰、川芎、茯苓、党参、炙甘草、独活、防風、秦艽、細辛、桑寄生、杜仲、牛膝、桂皮
    • 全体的に力が入らない。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

  • 地黄(じおう)、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、牡丹皮(ぼたんぴ)、茯苓(ぶくりょう)沢瀉(たくしゃ)、附子(ぶし)、桂皮(けいひ)で構成されています。
    • 高齢者の腎虚が原因で起こる症状に対して使えます。附子と桂皮が入っているので冷えて痛む傾向にあります。

五積散(ごしゃくさん)

防己黄耆湯

  • 防已、黄耆

大防風湯

  • 地黄、当帰、芍薬、川芎、人参、白朮、羗活、防風、杜仲、乾姜、附子、大棗、甘草
    • 四物湯がまるまる入っている。
    • 四君子湯去茯苓
    • 気虚、血虚がある。足先に冷えがある。筋拘縮が強ければこちら。

桂枝芍薬知母湯

  • 末端に冷えがない。

その他

左側の痛みが強く出ることについて

  • 左は血に属する とされているため血虚が原因で痺れや痛みが生じると考えてよいとされる?

疎経活血湯の名前の由来など

  • 疎経:経絡(けいらく)の流れが疎い(うとい)状態を活血(かっけつ):血を巡らせてやるというもの。
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漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
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