漢方薬

消化を助け、体を温める胃腸ケアに最適な小建中湯

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はじめに
  • 小建中湯は、胃腸の機能を高め、消化を助ける効果があります。
  • 体を内側から温め、冷えによる不調を緩和します。
  • 全体的な健康とバランスを整える助けとなり、特に冷え性の人に適しています。

小建中湯(しょうけんちゅうとう):99

効果効能

オースギ、ツムラ、東洋

  • 体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:
    • 小児虚弱体質疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症夜なき

クラシエ

  • 体力虚弱で、疲労しやすく腹痛があり、血色がすぐれず、ときに動悸、手足のほてり、冷え、ねあせ、鼻血、頻尿および多尿などを伴うものの次の諸症:
    • 小児虚弱体質疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症夜泣き

こんな人に使ってほしい

  • 子供の尿漏れ・夜泣き・消化不良・慢性下痢などに使えます。
    • 嘔気を伴う消化管障害には使わないほうがいいそうです。
  • 胃腸の冷えによる諸症状、例えば胃痛、腹痛、消化不良、食欲不振、下痢などに使用されます。
    • これらの症状は、特に寒冷な環境下や冷たい食べ物を摂取した後に顕著になることがあります。
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子供さんにはおいしいと評判の薬ですね。なんといっても甘い!

子供さんだとこの薬でお腹を建て直しつつ他の漢方薬を追加で飲ませるなんてことをよく見ます。

どこで手に入る?

顆粒タイプ

  • クラシエさんから出ている顆粒タイプですね。
  • 膠飴が入っていて甘くて飲みやすいためこのままで飲めると思います。

顆粒タイプ

  • ツムラさんから出ている顆粒タイプですね。1日2回なので5日分ってところです。お試し用にはいいと思います。
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どんな薬?

構成生薬

  • 桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、膠飴(こうい)で構成されています。
  • 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)に膠飴を加えた方剤となります。
    • 桂枝加芍薬湯:桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)で構成されています。
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膠飴がどこに入っていると思われるのですが…

添付文書の有効成分のところをよくよく見るとコウイを含有するって書いてあるんです。はい。見落としがちになるので注意してください。

生薬ごとの役割

  • 桂皮:シナモンです。身体を温め、体表面に働きかけて発汗させ、邪を追い出します。
  • 生姜:ショウガです。こちらも桂皮と一緒に働き、発汗するのを手伝います。
  • 大棗:ナツメです。生姜と一緒に働いてお腹への優しさを発揮します。
  • 芍薬+甘草:芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)とみると筋肉に働きかけて緊張や痙攣を軽減する効果があると分かります。
    • 芍薬:補血剤であり、鎮痛効果があり、締める効果があります。
      • 芍薬を倍増させたことにより、さらに筋肉への働きかけを強めていると考えられます。
        • 頭痛や関節痛に対して鎮痛し、締めて桂皮・生姜による発汗の行きすぎを止めるブレーキの役割も果たします。
    • 甘草:筋肉を弛緩させる作用があるため緊張や痙攣を軽減することが出来ます。
  • 膠飴:いわゆる麦芽糖です。滋養強壮効果があり、消化酵素も含んでいて消化吸収を助けます
    • 腸内細菌の栄養となるらしく消化吸収を助けてくれるそうな。

注意点

甘草

  • 偽アルドステロン症という副作用を生じることがあります。
    • むくみ・カリウム低下などが現れることがあります。気になる症状が出現したときは医師・薬剤師に相談してください。
    • 血液検査をすることで低カリウムについては分かります。
  • 詳しくは副作用についてのページをご覧ください。

膠飴

  • なんといっても大量の麦芽糖を含んでいるので糖尿病の人にはちと辛い。気が付いたら血糖値が上がっていることになりかねないので注意してください。
    • 建中湯類と呼ばれるものは大抵のものに膠飴が含まれており糖尿病の方には注意が必要です。

似たような漢方薬

人参湯(にんじんとう):32

  • 人参(にんじん)、乾姜(かんきょう)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)で構成されています。
  • 冷えによる下痢にはこちらです。乾姜がお腹を温めて消化吸収を助けてくれます。

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):60

桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)で構成されています。

  • 小建中湯から膠飴を抜いたものになります。注意点でも述べていますが、糖尿病の方にはこちらの方が良いでしょう。
  • 詳しくは、桂枝加芍薬湯の記事をご覧ください。

大建中湯(だいけんちゅうとう):100

  • 人参(にんじん)、乾姜(かんきょう)、蜀椒(しょくしょう)、膠飴(こうい)で構成されています。
  • お腹が冷えて消化管の運動が低下した人に使えます。人参湯より蜀椒が入ってよりお腹を温める力が強化されています。

桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう):134

  • 桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、大黄(だいおう)で構成されています。
  • 便秘症状がきついのであればこちらでしょうか。おなかが冷えてってところが他の便秘に効く漢方薬との違いになります。

中建中湯(ちゅうけんちゅうとう)

  • 桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、膠飴(こうい)、人参(にんじん)、乾姜(かんきょう)、蜀椒(しょくしょう)で構成されています。
  • 小建中湯、中建中湯、大建中湯とあるわけですが、小建中湯大建中湯を合方したものになるそうです。
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漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
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