漢方薬

発汗効果で風邪を撃退:麻黄湯の活用法と注意点

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  • 風邪に使える漢方薬で寒気がきついとき、咳も出ている!と言う場合にはこちらを使います。
  • 風寒による病邪がやってきて体表面へと侵入している最中に使える薬です。解表薬を使います。(風寒を体表面から追い出すというイメージです。)

麻黄湯(まおうとう):27

効果効能

ツムラ

  • 悪寒、発熱、頭痛、腰痛、自然に汗の出ないものの次の諸症
    • 感冒、インフルエンザ(初期のもの)、関節リウマチ、喘息、乳児の 鼻閉塞、哺乳困難

こんな人に使って欲しい

  • 悪寒がする汗が出ていない:感冒、インフルエンザ(初期)、頭痛、鼻づまり、乳児の鼻づまり、
    • インフルエンザ初期:インフルエンザウイルスの細胞内からの脱殻を防ぐことにより体内のウイルス増殖を抑制させる効果が期待できます。
    • 乳児の鼻づまり:指先に麻黄湯の粉末をつけ、乳児の頬に塗り、母乳を飲ませるとよい。とされている。

どこで手に入る?

顆粒タイプ

  • 1回1包、1日2回で10日分ですね。置き薬としていい感じの量です。
  • お湯に溶いて飲むと効果アップです。
  • 生姜湯に飲むと更に温める効果アップしてイイですね。
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私が飲んでいるのはこちらの生姜湯です。普通に飲むのにもほっとしておいしいですし、風邪ひいたな!ってときは混ぜて飲んでいます。

錠剤タイプ

  • 粉が飲みにくい方はこちらですね。
  • 1回2錠、1日3回で6日分になります。錠剤化したので飲みやすいという事でEXって名前ついているようですね。

どんな薬?

構成生薬

  • 麻黄(まおう)、桂皮(けいひ)、杏仁(きょうにん)、炙甘草(しゃかんぞう) で構成されています。
  • 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)から石膏を取り除いて桂皮と置き換えたものとも言えます。

生薬ごとの役割

  • 麻黄:気管支拡張作用があり、空気の通り道を開いて呼吸を楽にしてくれます。
  • 桂皮:皮膚表面へと働きかけて血管拡張し、発汗作用を促します。
    • 麻黄 + 桂皮:発汗解表作用が増強されています。汗が出ていないという文言の所以はここにあります。汗がすでにしっとり出ているのであれば他の方剤を検討します。
  • 杏仁:咳止め、痰切りとしての効果を期待しています。
  • 甘草:普段からする他薬との調整役だけでなく、麻黄による胃腸障害や動悸などを緩和する目的で入っています。

注意点

  • 汗をよくかいている風邪には使いません。消耗させるばかりです。
  • 麻黄:言わずもがな知られたエフェドリンの原料となった生薬です。劇薬です。
    • アドレナリン受容体のα、βの両方に作用します。
      • α 血圧上昇作用、瞳孔散大前立腺収縮、etc…
      • β:気管支拡張作用、血管拡張作用、心収縮力増強、etc…
    • 気管支拡張作用により呼吸は楽になるのですが、人によっては高血圧前立腺肥大症の悪化眼圧上昇動悸(不整脈など) などの副作用が生じることがあります
    • ドーピングに引っかかります

風邪症状を主とした鑑別していく方剤

葛根湯(かっこんとう):1

  • 麻黄(まおう)、葛根(かっこん)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう) で構成されています。
  • 寒気がして汗が出ない、首・肩凝りがある場合に使います。
詳しくはこちら
風邪の初期症状に効果的!葛根湯で早期回復を目指そう
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麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう):

  • 麻黄、杏仁、甘草、石膏
  • 麻黄湯より桂皮を取り除き、石膏を加えたものです。
    • 石膏には清熱作用があるため、冷やしつつ炎症を取り除いてくれる効果が期待できます。
  • あまり寒気がきつくなく、咳が強くてのどの痛みがある方に使えます。
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漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
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