漢方薬

【不正出血の心配から解放!】芎帰膠艾湯の使い方や注意点を解説!

renoba
はじめに
  • 女性の体を自然に整える漢方の力。
  • 月経過多や不正出血の悩みに対し、自然な出血調整のサポートを提供します。
  • 優しいけれど強力な、この伝統的処方があなたの日常に安心をもたらすでしょう。

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう):77

効果効能

コタロー

  • 冷え症で、出血過多により、貧血するもの
    • 痔出血、外傷後の内出血、産後出血、貧血症。

ツムラ、ジュンコウ

  • 痔出血
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メーカーによって効果効能が異なるため保険適応で考えて処方する必要もあるのかも知れません。

どこのメーカーかはあえて言いませんが…阿膠ではなくゼラチンを使用しているので本来の効果が得られるかは怪しいところ?

こんな人に使ってほしい

  • 産後の子宮出血、妊娠中の子宮出血、血尿、痔出血、妊娠中の下血、不正性器出血
  • 流産しそうなとき、腰痛

どこで手に入る?

  • 市販では手に入りにくいです。
  • 医師に相談して処方してもらう方がよいでしょう。

どんな薬?

構成生薬

  • 阿膠(あきょう)、艾葉(がいよう)、地黄(じおう)、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう) で構成されています。
  • 歴史的には四物湯の元となった処方です。
    • 四物湯:地黄(じおう)、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)で構成されている補血剤基本骨格となります。

生薬ごとの役割

  • 艾葉:不正性器出血などの出血症状を抑える効果があります。
  • 阿膠:ロバの膠(にかわ)です。補血・止血作用があり、子宮からの出血やその他の出血を止めることにも働きます。
    • 膠(にかわ)とは:獣類の骨・皮・腸などを水で煮た液を、かわかし固めたもの。ゼラチンが主成分。粘着剤などに使う。
  • 四物湯:血虚に対する基本処方であり、補血剤基本セットみたいなものです。
    • 当帰 + 川芎:もとは芎帰湯と呼ばれている方剤セットで血虚に使われています。
      • 当帰は補血して全身の栄養状態を改善し、血の巡りを促進してくれます。、川芎は気を昇らせる作用があり、気を上へと昇らせる事で頭重感など軽減してくれます。
    • 地黄:滋陰(じいん)作用、補血作用があります。
      • 滋陰:陰が不足すると熱を冷ます力が低下して虚熱(きょねつ)となり火照り感が出てきます。詳しい話は別の回で。
    • 芍薬:筋肉に働きかけて鎮痛作用や芍薬甘草湯みたいに鎮痙作用もあります。川芎による副作用を軽減してくれる目的でも配合されています。
  • 甘草:他の薬との調和目的で入っています。

ロバ(ウシの場合もある)の膠(ゼラチンとして精製する前のもの)を阿膠(あきょう)といい止血作用のある生薬である。阿膠は効能を表示しない限りは法的に食品扱いである

wikipediaより

注意点

阿膠(あきょう)

  • ゼラチン生成前のものであり、ゼラチンへのアレルギーがある方は避けた方がよいでしょう。
  • 煎じ薬として出された場合、他の物を煎じ終わってからカスを取り除き、阿膠を入れて溶解させます。(ゼリーを作るときにゼラチンを混ぜて溶かせるときの手順でしょうか。。。)

甘草(かんぞう)

  • 偽アルドステロン症という副作用を生じることがあります。
    • カリウム低下などが現れることがあります。気になる症状が出現したときは医師・薬剤師に相談してください。
    • 血液検査をすることで低カリウムについては分かります。

地黄(じおう)

  • 消化器症状が出現することがあります。
    • 甘草が含まれているためある程度緩和されると思われますが食前服用で食欲低下や腹部膨満感など現れたときは食後服用して様子を見てください

川芎(せんきゅう)

  • のぼせることがあります。
    • エキス剤では抜薬出来ないためある程度は我慢するか別の薬を選択することになりそうです。

似たような漢方薬

四物湯(しもつとう):71

  • 地黄(じおう)、当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう) で構成されています。
    • 芎帰膠艾湯を基にして艾葉(がいよう)と阿膠(あきょう)を取り去ったものになります。
  • 血虚はあるが、出血がない場合はこちらになります。

猪苓湯(ちょれいとう)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

  • 当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)で構成されています。
    • 四物湯ー地黄+四苓湯ー猪苓とも解釈できます。
  • 血虚+水毒がある方にはこちらを使います。地黄がなくなっているため四物湯を飲むと消化器症状が出る方もこちらが良いかもしれません。
詳しくはこちら
当帰芍薬散でサヨナラ!女性の生理痛やむくみを改善する方法
当帰芍薬散でサヨナラ!女性の生理痛やむくみを改善する方法

当帰散(とうきさん)/金匱要略

  • 当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、黄芩(おうごん)、朮(じゅつ)で構成されています。
  • 当帰芍薬散と名前は似ていますが別物ですので注意してください。

芎帰膠艾湯の使い方について

飲み方

酒を入れて煎じないと効力が薄い

  • 煎じた後にお酒を入れて飲ませる方がよいそうです。
    • 何の酒?清酒?日本酒??料理酒???ビールじゃないことは確かだと思うが…要確認事項。

流産してしまう場合(12~22週未満)

妊娠中の子宮出血

  • 妊娠中に下血したり、怪我をしてしまって流産しそうなときに服用すると流産を防止する効果があるようです。

12週までに流産してしまう場合

  • 染色体異常によるものであり、自然淘汰であるため薬でどうこうという話ではなさそうです。
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漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
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