漢方薬

痒みに負けない!蕁麻疹に効く漢方薬のすすめ

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  • 突然のかゆみと湿疹でお悩みではないですか?それは蕁麻疹の可能性があります。
  • 食べ物や薬、精神的なストレス、あるいは物理的な刺激から来る体の過剰反応により起こることがあります。
  • これらの症状には実は漢方薬が効果的なのです。今回の記事では、蕁麻疹の原因と対策、そして特に消風散という漢方薬の活用法について詳しく解説します。
  • 今回は消風散ですが、黄連解毒湯や十味敗毒湯、当帰飲子も外せないところ?

原因と対策は?

アレルギー反応

  • 原因:食べ物、薬物、花粉、ダニなどの物質に対する身体の過剰な反応が原因となることがあります。
  • 対策:アレルギーが原因の場合は、原因となる物質を避けることが最も重要となってきます。
    • アレルギーテストなどを受けて自分が何に対してアレルギー反応を示すのかを知っておくことで食べ物や化学物質などを避けることができます。

ストレス

  • 原因:精神的なストレスや感情の高ぶりも蕁麻疹を引き起こすことがあります。
  • 対策:ストレスを上手くコントロールするためにリラクゼーション技術や適度な運動を行うと良いでしょう。良い睡眠、健康的な食事、十分な水分摂取なども重要です。
    • 適度な運動は一時的には身体への負担が増えてストレスとなり得ますが、運動後はストレスが和らぐとされています。

物理的刺激

  • 原因:暑さ、寒さ、汗、摩擦などの身体的刺激によっても蕁麻疹は発生します。
  • 対策:適度な温度管理、汗を吸収しやすい素材の下着選び、ゴムなどの締め付けが少ない物を選ぶなどすることで軽減できます。

消風散(しょうふうさん):22

  • 皮疹、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹アトピー性皮膚炎、掻痒症 などに使われます。
    • 皮膚表面に出現し、発赤を伴う強いかゆみを治療してくれます。
  • 蕁麻疹のファーストチョイス的な存在です。
    • これ飲んでだめなら別の薬へ…と。
  • 風邪(ふうじゃ)を消し去る薬と言う意味です。
    • 風邪は他の外邪を引き連れてくるので厄介です。湿だと風湿、熱だと風熱 という風に他の邪の呼び水的な存在。

どんな薬?

構成生薬

  • 荊芥(けいがい)、防風(ぼうふう)、当帰(とうき)、生地黄(きじおう)、苦参(くじん)、蒼朮(そうじゅつ)、蝉退(せんたい)、胡麻(ごま)、牛蒡子(ごぼうし)、知母(ちも)、石膏(せっこう)、生甘草(かんぞう)、木通(もくつう)で構成されています。

生薬ごとの役割

  • 苦参+石膏+知母+生地黄:抗炎症作用をもつ。
    • 苦参:血熱(けつねつ)を清してくれる。
      • 血熱:熱邪(ねつじゃ)が血に侵入し、循環不足から熱がこもった状態。冷やすために体内の水分が消費されるため乾燥傾向となる。
    • 石膏:かなり冷やしつつ清熱してくれる。
    • 知母:冷やしつつ清熱してくれます。潤す作用もあります。
    • 生地黄:清熱作用を示しつつ滋陰効果で津液の増加に働きかけて滋潤作用を示す
  • 防風+荊芥+牛蒡子+蝉退:袪風(きょふう)薬として働くことで痒み止めの効果を期待されている。
    • 蝉退:痒みを軽減し、鎮痛、鎮静作用があります。
      • 蝉の抜け殻です...あの木にくっついてる茶色のやつです。なんてもの飲ませるんだ!?って思うかも知れませんが漢方ではよくある話なので諦めてください。
    • 牛蒡子:利尿・消炎作用があります。
  • 蒼朮+木通:組織中の水分を利水する。浸出液や水疱を改善するのに役立つ。
    • 木通:アケビ。浸出性の皮疹を燥湿(そうしつ)してくれる。
    • 蒼朮:利水してくれます。
  • 当帰+胡麻:皮膚を潤して乾燥を改善してくれます。
    • 当帰:補血しつつ血の巡りをよくしてくれる。
    • 胡麻:油分を多く含み、乾燥を改善してくれます。
  • 生甘草:抗炎症作用でサポートしてくれている。
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浸出液などは乾かしつつ、乾燥は潤してくれるという相反する作用を持つと考えるか、どちらにも対応していると考えるべきか…。

煎じ薬などではどちらかの症状が強ければ生薬を増減させて調節していくことが可能です。

注意点

  • に用いる。
    • 発赤、熱感が強いものに用いる。
    • 寒冷刺激で増悪するような風寒型には別の方剤を用いる。
  • 地黄を含んでいます。
    • 胃腸への負担がきつい人は食前ではなく食後に飲むなどしてください。ダメなら地黄を抜く、縮砂を足すなど。

鑑別していく方剤

当帰飲子(とうきいんし):

  • 地黄(じおう)、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、何首鳥(かしゅう)、荊芥(けいがい)、防風(ぼうふう)、蒺䔧子(しつりし)、黄耆(おうぎ)、甘草(かんぞう)
    • 四物湯(しもつとう:地黄、芍薬、当帰、川芎)が含まれており補血滋潤作用に優れるため湿潤している部分が少ない方に使い分けできる。
  • 乾燥性で、熱がないものにはこちら。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう):

  • 黄連(おうれん)、黄芩(おうごん)、黄柏(おうばく)、山梔子(さんしし)で構成されています。
  • 熱感や炎症、発赤が強い方に。高血圧にも使われます。
  • 全ての薬剤が清熱薬です。全身性の炎症に使えます。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう):

  • 防風(ぼうふう)、荊芥(けいがい)、独活(どっかつ)、柴胡(さいこ)、桜皮(おうひ)、桔梗(桔梗)、川芎(せんきゅう)、茯苓(ぶくりょう)、生姜(しょうきょう)、生甘草(なまかんぞう)
  • 炎症があって化膿傾向の方に使われます。
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漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
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