【漢方薬メーカー毎の違い】について、大手5社を徹底比較!!!
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)を例にして構成生薬の種類でみたときの違い
ツムラ | クラシエ※ | オースギ | コタロー | 三和 | 東洋 | |
竜胆 | 1.0 | 0.75 | 1.0 | 2.0 | 1.0 | 1.5 |
沢瀉 | 3.0 | 1.5 | 3.0 | 2.0 | 3.0 | 3.0 |
当帰 | 5.0 | 2.5 | 5.0 | 1.5 | 5.0 | 5.0 |
芍薬 | × | × | × | 1.5 | × | × |
川芎 | × | × | × | 1.5 | × | × |
地黄 | 5.0 | 2.5 | 5.0 | 1.5 | 5.0 | 5.0 |
黄連 | × | × | × | 1.5 | × | × |
黄柏 | × | × | × | 1.5 | × | × |
黄芩 | 3.0 | 1.5 | 3.0 | 1.5 | 3.0 | 3.0 |
山梔子 | 1.0 | 0.75 | 1.0 | 1.5 | 1.0 | 1.5 |
連翹 | × | × | × | 1.5 | × | × |
薄荷 | × | × | × | 1.5 | × | × |
木通 | 5.0 | 2.5 | 5.0 | 1.5 | 5.0 | 5.0 |
防風 | × | × | × | 1.5 | × | × |
車前子 | 3.0 | 1.5 | 3.0 | 1.5 | 3.0 | 3.0 |
甘草 | 1.0 | 0.75 | 1.0 | 1.5 | 1.0 | 1.5 |
え?1社だけ薬が全然違いますよね?これも「ほとんど同じですよ」っていうんですか?
流石にこれはほとんど同じとは言えませんし、言いません。
今回例を挙げている竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)は保険で使われる漢方薬の中で最も各メーカー差がある有名な薬です。
コタローとそれ以外のメーカーで大きく構成生薬が異なるのには明確な理由が会って、起源とされているものが違うせいです。
起源が違う?何か手本となったものがあるんですか?
昔の人たちが書いた本を基にして現在の形になっています。
例えば、葛根湯は張仲景(ちょうちゅうけい)と言う医師が書いた傷寒論(しょうかんろん)と言う本や金匱要略(きんきようりゃく)を起源としています。
今回の竜胆瀉肝湯は、薛氏医案(へきしいあん)と一貫堂方(いっかんどうほう)を起源としています。
コタローは一貫堂方、その他のメーカーは薛氏医案を基にして作っているという事です。
これだけ違うと使い方も違いますか?
全く!とも言えませんが、だいぶ構成生薬が違うので薬の性格が変わっていて目的が違います。
コタローの方は体質改善を目的として慢性炎症を治療するために生薬が少量ずつ配されており、その他のメーカーは急性炎症を治療するために生薬量が多いです。
つまり…疑義紹介で変更依頼なんてかけようものなら次の診察時に「何も知らないあそこの薬局には行くな!」と医師に釘をさされるでしょうね。
薬剤師としては気を付けたい薬の1つで、やらかしてしまうと一気に信用を失います。
同じ名前でも全然違う薬もあるんですね。きちんと薬剤師さんに確認しようと思います。
ちなみに他にもこういった薬はありますか?
いくつか存在します。他の薬の紹介は次回行っていきたいと思います。
※クラシエの竜胆瀉肝湯について
クラシエからは医療用の竜胆瀉肝湯は出されていないためOTCで販売されているものを表に載せているため量が大分異なります。医療用のおよそ半分量となっています。