漢方薬

あなたの喉の不快感、半夏厚朴湯が解決します

renoba
  • 経験したことのある人は割と何度も経験する症状と思います。
  • 表現としては喉のつっかえ感喉に何か詰まった感じがする呼吸がしにくい 等と表現されます。
  • 漢方的には咽中炙臠(いんちゅうしゃれん) や 梅核気(ばいかくき) と表現され、炙った肉が詰まった感じ、梅の種が引っかかった感じ と言う表現がされていて半夏厚朴湯の1つの目標となってきます。ヒステリー球とも呼ばれます。
  • 上記の症状は内科的(?)に診察しても異常所見が見られないことがあります。
    喉に異物はないし、狭窄もしていない…異常ないですね と診断されることがあります。
renoba
renoba

咽頭部閉塞感あるなー、呼吸苦しくなってるな…ってときに飲んでいます。割と飲んでからすぐに効く薬なので合う人には飲んだその日からよく効きます。15分程度で効果得られる人もいるとか。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):16

効果・効能

ツムラ

  • 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症
    • 不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症

こんな人に使えます

  • 悪心、嘔吐、喉や食道に異物感がある方に使えます。
  • 最近では誤嚥性肺炎を予防する効果もあると報告されています。
renoba
renoba

病院勤務時代に喉の調子がおかしい!とずっと言われる方がいて、ネキシウムやタケプロンなど効果が全く得られず消化器対診でも異常が認められなかった人にどうにかしてくれと頼まれたことがありました。

半夏厚朴湯の証と思われましたが採用されておらず処方出来ないため医師の許可をとって家族の方に連絡を取ってドラッグストアで買ってきてもらい、飲んでもらったところ1回で著効した経験があります。

治って喉がすっきりした!と大変喜ばれました。西洋薬ではカバーしにくい症状だと思われます。

どこで手に入る?

錠剤タイプ

created by Rinker
¥2,521 (2024/12/23 13:59:56時点 楽天市場調べ-詳細)
  • 1日3回、1回4錠です。20日分相当になりますね。
  • 1回飲むだけで効くこともあるので実質60回分とも解釈できそうです。

どんな薬?

構成生薬

  • 生姜(しょうきょう)、半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)、厚朴(こうぼく)、蘇葉(そよう)で構成されています。
  • 以前紹介した小半夏加茯苓湯の加減方的な存在で、厚朴と蘇葉を追加したら半夏厚朴湯が完成しちゃいます。
  • と、いう事は…以前と同様に痰飲(たんいん)が証に絡んでいる処方なのはもちろん、理気作用のある生薬も追加されているため気滞(きたい)も伴っている感じです。
    • 気滞が酷くなると気分が塞ぎ込んだり、胸部違和感が出現してきます。

生薬ごとの役割

  • 半夏 + 厚朴 + 茯苓:燥湿化痰します。不要な水分を乾かたり、利水して吐き気や嘔吐症状を緩和していきます。
  • 蘇葉:紫蘇(シソ)の葉っぱで、理気作用(気を巡らせる作用)があります。停滞している気を降ろす効果があります。半夏や厚朴と併せることで更に気滞への効果を増強しています。
  • 生姜:半夏の刺激性を緩和し、消化管を正しい下向きへと促してくれます。

注意点

  • 注意として、湿痰や痰飲のない人に使用すると悪化してしまうので注意してください。
    • 構成生薬を見てもらうとわかりますが温める様な生薬ばかりで熱がこもっている症状の方には使わないほうがいいですね。

見分け方

  • 水毒証体質ってなんぞや…って説明するの難しいのですが…
    • 舌診(ぜつしん)にて、舌に歯形が残るような人が一つの目安になります。舌まで水分過剰になっていて舌が歯に押し付けられているために出来る跡ですね。
      • 自分で鏡の前に立って舌をベーっと出してみてください。よくわかるでしょう?
    • 小半夏加茯苓湯の方でも説明していた胃がポチャポチャする人とかです。
    • 下の眼瞼(がんけん:まぶた)がぷっくりしている人も?
  • 似たような処方に柴朴湯(さいぼくとう)というものがあります。(後日書いていくかもしれません)
    • 小柴胡湯(しょうさいことう) と 半夏厚朴湯 を合方したものになります。

似たような漢方薬

小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう):

  • 生姜(しょうきょう)、半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)で構成されています。
  • 詳しくは、小半夏加茯苓湯の記事をご覧ください。
ABOUT ME
renoba
renoba
漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
記事URLをコピーしました