【漢方薬メーカー毎の違い】について、大手5社を徹底比較!!!


突然ですが、みなさんはどれくらい漢方薬を作っているメーカーを知っていますか?

よくテレビのCMなどでクラシエが流れています!
あとは先生から風邪の時にもらう葛根湯にはツムラと書かれていますね。

一般の方によく知られている漢方メーカーと言えば ツムラ もしくは、クラシエ でしょうか。
実はそれ以外のメーカーもあって、皆さんが知らないだけ!?という会社があります。(実際服薬指導でも聞いたことないって方が大勢います)
今回はいくつか漢方薬を作っているメーカーそれぞれの特徴と違いについて紹介したいと思います。
主な漢方薬メーカーとその特徴

日本国内で流通している代表的な漢方薬メーカーには、以下のような企業があります。
皆さんはいくつのメーカーを知っていますか?
ツムラ(株式会社ツムラ)

- 日本での医療用漢方薬売り上げシェア1位、知名度No.1を誇ります。医療用漢方の売り上げシェアはダントツで、2位と圧倒的大差をつけています。
- 薬価収載されている医療用漢方薬としては129/148 と実に多くを作られています。(
逆に残りの19はなんぞや…と思いながら) - 漢方薬の効果はどこから来ているのか?と言う科学的根拠を探索することにも尽力されている様で各種論文発表やデータを蓄積されていると思います。(漢方の勉強会などを後援されていることが多いので目に触れる機会が多い???)
- 漢方薬の普及に関して最も貢献されたと言えるでしょう。

漢方薬といえばツムラ!という方が多い印象があります。
今まで一度も飲んだこと無いのにツムラで!と指定してくる患者さんも結構いる印象ですね。
学術研究を豊富にされており、エビデンスが多いことでも有名です。西洋薬との併用に関しても一歩先んじている感じがしますね。
クラシエ・Kracie(クラシエ株式会社)


- 医療用漢方薬の売り上げ2位、一般用漢方薬売り上げ1位です。
- 医療用ではツムラに大きな開きがありますが一般用漢方薬売り上げでは1位を獲得しています。漢方セラピーや漢方専科 などドラッグストアで手に取るときに自分の今ある症状から選びやすくしてくれています。
- この記事を書いていて一般用漢方薬として、杞菊地黄丸や知柏地黄丸も発売されていることを知りました(笑)
- 漢方薬だけではなく、コスメや食品など多くの事業をされているのも特徴かと思います。
- 医療用漢方薬では横長パッケージの顆粒タイプと錠剤タイプを出していて、粉薬が飲みにくと言う方へ優しい心配りをされていると思います。
- 他のメーカーと異なり、同じ薬でも1日2回タイプと3回タイプを出しているのでお昼は飲めないなどの要望に応えてコンプライアンス向上に寄与しています。(
複数の規格があるため薬剤師泣かせでもあります)- EK:1日3回タイプ
- KB:1日2回タイプ



メーカーさんとしては横長パッケージのスティックタイプを採用することで飲みやすく工夫されているそうです。
オースギ(大杉製薬株式会社)・JPS


- オースギさんも医療用漢方薬では顆粒タイプと錠剤タイプを出してくれています。錠剤も出しているのがポイント高めですね。
- 医療用漢方は 112/148 品目を出されているそうです。(もっと増えてる???)
- SG:大杉が製造販売していて顆粒と錠剤がある。
- FC:グループ会社が製造販売していて細粒と錠剤がある。
- 〇〇散料、〇〇丸料:料とは、漢方本来の用法と湯剤の処方に従ってエキス化したものとして区別するためにされています。

コタロー(小太郎漢方製薬株式会社)

- 実は漢方のエキス製剤を一番初めに作ったのは小太郎漢方さんです。
- 医療用の漢方薬だけでなく、一般用漢方薬も多数品揃えしています。
- 医療用漢方は顆粒ではなく細粒が多いのも特徴と言えるでしょうか。一部カプセルの物もあります。
- 独自の匙倶楽部というブランドも立ち上げていて、医療用漢方の足りない部分を補ってくれている部分が大きいです。一般用漢方薬は錠剤の物が多いです。

一般用漢方薬は漢方専門薬局にしか卸していないなど間違った使い方がされないようにと言うような配慮もされている様子です。
売り上げが出ればいい!という考え方をされていないのでネットで売っているのを見つけた場合は、その漢方薬局へ卸さないなどの対策をされるなど漢方薬を正しく使って欲しいという熱意が見えます。
その他
太虎堂

- 文献請求先がクラシエになっている…。ものによっては太虎堂になっている。
- 会社HPに行ってもあまり詳しいことが書かれていないので教えてほしいくらいです。
- 医療用漢方は 26/148 品目を出されているそうです。(どこに全ての製品が記載されている???)
東洋
三和
- 附子を減毒化した加工附子を主として生産しているそうな。
- 医療用漢方は36/148品目出されているようです。
- アコニチン錠や加工附子末など附子が含まれている漢方薬が多い印象ですね。

以上が各メーカー毎の特徴を簡単に説明した内容となります。

こんなにたくさん漢方を作っているメーカーさんがあるんですね。
ちなみに、中身は一緒なんですよね?

よく聞かれる質問ですね。
非常に細かな説明になってしまい、混乱の元となるため患者さんにはほとんど同じですよ と説明することが多いです。
実際細かく見ていくとだいぶ違うのですが並べて説明するわけにもいかず仕方なくそう答えていると言った方が正しいですね。
次のページでは各メーカー毎の薬にフォーカスを当てて解説していきたいと思います。