漢方薬

冬の体調不良には桂枝加芍薬湯

renoba
はじめに
  • 体のこわばりや筋肉痛を和らげる効果があります。
  • 生理痛や月経前症候群に対して、自然な方法で症状を緩和します。
  • 風邪の初期症状に対して全体的な体調を整える助けとなります。

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):60

効果効能

クラシエ

  • 体力中等度以下で、腹部膨満感のあるものの次の諸症:
    • しぶり腹、腹痛下痢便秘

オースギ、コタロー、ツムラ、本草

  • 腹部膨満感のある次の諸症:
    • しぶり腹、腹痛

こんな人に使って欲しい

  • 風邪の初期症状、特に筋肉痛、関節痛、生理痛、頭痛などに使用されます。
    • 元となったのが桂枝湯(けいしとう)であるため弱い風邪薬でありつつ、温めながら便秘にも使えるという点が特徴となっています。
  • また、月経不順や月経痛、PMS(月経前症候群)の緩和にも効果的です。

どこで手に入る?

顆粒タイプ

  • クラシエさんから出ている顆粒タイプです。

錠剤タイプ

  • JPSと書いていますがオースギさんから出ている錠剤タイプですね。
  • 1日3回、1回4錠となっています。漢方薬を錠剤にするとどうしても数が増えてしまうのが難点…。

どんな薬?

構成生薬

  • 桂皮(桂皮)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)で構成されています。
  • 桂枝湯(けいしとう)と構成は全く同じとなっています。が、芍薬の量が増量されています。
    • 桂枝湯:桂皮(桂皮)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)で構成されています。

生薬ごとの役割

  • 桂皮:シナモンです。身体を温め、体表面に働きかけて発汗させ、邪を追い出します。
  • 生姜:ショウガです。こちらも桂皮と一緒に働き、発汗するのを手伝います。
  • 大棗:ナツメです。生姜と一緒に働いてお腹への優しさを発揮します。
  • 芍薬+甘草:芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)とみると筋肉に働きかけて緊張や痙攣を軽減する効果があると分かります。
    • 芍薬:補血剤であり、鎮痛効果があり、締める効果があります。
      • 芍薬を倍増させたことにより、さらに筋肉への働きかけを強めていると考えられます。
        • 頭痛や関節痛に対して鎮痛し、締めて桂皮・生姜による発汗の行きすぎを止めるブレーキの役割も果たします。
    • 甘草:筋肉を弛緩させる作用があるため緊張や痙攣を軽減することが出来ます。

注意点

甘草

  • 偽アルドステロン症という副作用を生じることがあります。
    • むくみ・カリウム低下などが現れることがあります。気になる症状が出現したときは医師・薬剤師に相談してください。
    • 血液検査をすることで低カリウムについては分かります。
    • 詳しくは副作用についてのページをご覧ください。

似たような薬

桂枝湯(けいしとう):45

  •  桂皮(桂皮)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)で構成されています。
    • 桂枝加芍薬湯の元となった方剤で、構成生薬は一緒ですが芍薬の量が少ないです。
  • 風邪の初期に使える漢方薬です。
  • 詳しくは、桂枝湯の記事をご覧ください。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):68

  • 芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)で構成されています。
  • ひっ迫する痛みや痙攣にはこちらの方が良いかもしれません。
  • 詳しくは、芍薬甘草湯の記事をご覧ください。

小建中湯(しょうけんちゅうとう):99

  • 桂皮(桂皮)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、膠飴(こうい)で構成されています。
    • 桂枝加芍薬湯に膠飴を追加したものになります。

大建中湯(だいけんちゅうとう):100

  • 人参(にんじん)、乾姜(かんきょう)、蜀椒(しょくしょう)、膠飴(こうい)で構成されています。
    • 温める生薬で構成されています。

桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう):134

  • 桂皮(桂皮)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、大黄(だいおう)で構成されています。
    • 桂枝加芍薬湯に大黄を追加したものになります。
    • 別名、桂枝加大黄湯(けいしかだいおうとう) とも言うそうです。
  • お腹を温めつつ腹部膨満感を軽減し、消炎させつつ便秘に対応するような方剤です。
ABOUT ME
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漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
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