【『薬屋のひとりごと』を漢方薬剤師が読み解く】気になるところ4選!part2


どうもこんにちは!
普段は漢方について勉強しながら記事を書いているrenobaです。
前回初めての試みでコミックに関するレビューというか、解説みたいなことをしましたがいかがだったでしょうか?
魅力的な絵も特徴ですが、薬剤師として、そして漢方薬剤師としても興味深い内容が多いですね。
そんなこんなで次は第2巻を読み解いていきたいと思います。
今回もネタバレをいくつか含みますのでネタバレは嫌じゃ!と言う方は回れ右をしていただくか、ブラウザバックを推奨いたします。
もしくは購入して先に読んでから!でお願いします。
取り合えずいつでも、何度でも、どこでも読める電子書籍版を置いておきますね。
それでは…ネタバレ対策は十分に行ったので気になる点を深堀していきたいと思います!
では1つめ!

帝から声を掛けられる場面です。
冒頭開いて1ページ目からかよ!と思われますが、見逃せませんね。
「噂の薬師どのに頼みたいことがある」ですね。
よくよく見ると猫猫の口元が猫っぽく描かれていることも見逃せません(笑)が、ここは敢えてスルーしていきます。
第1巻で玉葉妃(ぎょくようひ)の娘であり、帝の子供を救った事が帝の耳にも届いた様子で、ある頼み事を猫猫に申し付ける様です。内容は脇に置いて、
薬師(くすし)とはなんぞや?という事で見ていきたいと思います。

Wikipediaさんから引用すると、医師の古い名称であり、漢方薬の専門家の事を言います。
そして、時代の流れから医薬分業と言う制度により医師と薬剤師に分かれたわけです。
医師が診察、薬の調剤・調合、薬の処方、治療 と全てをこなしていたわけですが…不審死が出てきたわけです。明らかに致命傷でもなく、寿命でもないのに治療の甲斐なく亡くなっていく方、そもそも病気かも怪しいのに亡くなっていく方。
そう…毒殺です。
え!?お医者さんが!?!?と思われる方も多いかもしれませんが、実際に行われてしまった行為です。
当時インターネットなんてまず無い世の中ですから、薬草や薬の知識を持っているのは医師くらいなもので(薬の卸問屋(おろしどんや)は知識を持っていたでしょうが)、薬と称して毒を飲まされたことには誰も気づかないでしょう。
医師に全てを任せるのは危険!という事で医薬分業という制度が出来、
医師は診察、薬の処方、治療をする、
薬剤師は薬の調剤、調合、処方 をするという分業制になったわけです。
処方権について
医薬分業で薬のことは薬剤師に…となったのですが何故か医師会が反対して薬の処方件は手放さず…何故か医師が調剤することも認められています。なんでですかねー(棒)既得権益ってやつは蜂蜜より甘いんですね、きっと(棒)今では規制がかかって大分潜っていますが、過去には週末には接待三昧だったようです。今でも大病院ではMRが長蛇の列を作っています。

アメリカなんかではちゃんと医薬分業がされていて、きちんと薬剤師の地位も高いです。はい。
毒殺事件までは行きませんが、近年でも身勝手に堕胎薬を使用した2010年の事件とか、麻酔薬を使って手術した2021年の事件とかですね。(現在、堕胎薬は要管理品目となり、母体保護法指定医師のみが処方可能です)
海外みたいにきちんと分かれていれば起こっていなかったのではないか?という事件です。
医薬分業について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。薬剤師の仕事とは?と知りたい方は是非読んでいただきたい内容となっています。
でもまあ…一部だけ抜粋しておきますね。

見ての通り…既得権益を保持するためと書かれています。医療界の闇の1つというやつですね。
とまあ少し話が脱線気味なのでもとに戻していきましょう。
実はこのサイトのホーム画面を見ていただくとわかるのですが…kusushiとなっています。
漢方の専門家であり、薬剤師ですよ!とこっそり宣言しています。こっそりですが…。

どうしても薬師(くすし)について、薬剤師の存在理由について知って欲しかったので突っ込まざるを得なかったんです。
このブログを書いていくときのホーム画面のURLを決めるときに悩んで薬師にしよう!と頭からひねり出してきた覚えがあります。
漫画を読んでここにもあったか!と喜んでいました。
漫画の見開き1ページ目から突っ込んだところで、次の話題に移っていきたいと思います。