漢方薬

【こむら返りに即効!芍薬甘草湯について】その使い方、実は危ないかも!?

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はじめに
  • 日中・夜中寝ているときに足がつる、こむらがえり、こぶらがえりが起きる。
  • 表現は地方によって様々で、起こる時間帯も日中・深夜・明け方など様々あります。
  • 急に来たときはどうするの!?!?って方にはこちらの漢方薬。
  • 常備薬として寝室の枕元においても損はないと思います。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):68

効果・効能

コタロー、クラシエ、ツムラ

  • 急激におこる筋肉の痙攣を伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛

こんな人に使えます

  • 筋肉の痙攣を抑える作用があります。
  • 足がつって困っている。そんなときに使える漢方薬です。
    • こむら返りが起こったときに頓服で服用するのがいいでしょう。
  • しゃっくりを抑える効果もあります。
    • しゃっくりの原因として横隔膜という筋肉の痙攣があるためです。
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普段の服薬指導でも枕元に芍薬甘草湯1包と水を一緒においてくださいと伝えています。
足つった!!!痛い!って時にスッと1包飲むといいです。

どこで手に入る?

顆粒タイプ

  • 頓服使用であれば小包装のものがオススメです。

ゼリータイプ

  • 粉薬が苦手な方はこちらを勧めますが...高い😭
  • 水分摂取制限がある方、トイレが近くなると困る方にはこちらが良いかもしれません。
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どんな薬?

構成生薬

  • 芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)で構成されています。
    • 2種類だけの凄くシンプルな漢方薬となっています。基本的にはシンプルであればあるほど効果がシャープになって即効性があるものが多いです。

生薬ごとの役割

  • 芍薬:筋肉に働きかけて鎮痙、鎮痛させる効果があります。
  • 甘草:筋肉に働きかけて緊張や痙攣を緩和し、痛みを止める働きがあります。
    • 筋肉を弛緩させる作用があるため緊張や痙攣を軽減することが出来ます。

注意点

定期服用はしないでください

  • 甘草が大量に入っていることから偽アルドステロン症という副作用を生じることがあります。
    • たまに飲む・症状が出た時だけ であれば基本的には問題ありませんが、定期的に服用することで副作用を生じやすくなります
    • 利尿薬や電解質に影響を与える薬と一緒に飲むと副作用が起こりやすくなります。
      • カリウム低下などが現れることがあります。気になる症状が出現したときは医師・薬剤師に相談してください。
      • 血液検査をすることで低カリウムについては分かります。
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1日3回と添付文書には記載されていますがそのまま出すとか狂気の沙汰です。

似たような漢方薬

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

  • 桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)で構成されています。
  • 桂枝湯と芍薬甘草湯を合方したとも考えられる方剤です。
  • 詳しくは、桂枝加芍薬湯の記事をご覧ください。

原因と対策

水分補給不足

  • トイレが近くなって困るので水分の摂る量を自主的に減らしている方。
    • 特に高齢者の方で夜中トイレに何度も起きるのが嫌であまり水分を摂らないようにしている方を見かけます。
      • 寝る前にコップ1杯程度の水を飲みましょう
    • トイレに何度も起きる方は、頻尿に使える漢方薬も検討してみてください。(後日書いていきます)

疲労

  • 運動や仕事をしたことによる筋肉への疲労の蓄積など。
    • 軽い運動などを普段からするようにしてストレッチなどで疲労物質を貯めこまないようにしてください。お風呂で足のマッサージをするのがお勧めです。冷えが原因のこともあるので血流改善効果も期待できます。
    • 冷えが気になってどうにもならないって方は、冷えを解消してくれる漢方薬も検討してみてください。(後日書いていきます)

ミネラルバランスの異常

  • 食事が偏っていたり、腎臓が悪くなっていたり、電解質に影響を与える薬を飲んでいることが原因となっていたりします。
    • 食事はバランスよく食べること、腎臓が悪くなっている場合は医師に相談すること、電解質に影響を与える薬を飲んでいるかどうかは医師・薬剤師に相談すること。
      • 利尿薬などを飲んでいるとミネラルバランスに異常を来すことが多くなりがちです。

その他

便失禁

  • くしゃみをしたときに便失禁をしてしまうような方にも使える。
ABOUT ME
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漢方を学んでいる薬剤師
"元"漢方薬・生薬認定薬剤師です。
漢方の魅力に取りつかれ漢方の魅力を発信しようと決意し、漢方のブログを書き始めました。
初心に帰って再度漢方を学んでいる真っ最中なので同じように漢方勉強したい方や漢方が気になる方に少しでも情報を届けられたらと考えています。
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