【漢方薬と西洋薬の違いを徹底比較!漢方薬剤師が分かりやすく解説】
- 現代医学において、漢方薬と西洋薬はそれぞれ異なるアプローチで私たちの健康をサポートしています。
- この二つの治療法の違いを理解し、それぞれのメリットとデメリットを把握することは、より良い健康管理を行う上で非常に重要です。
- この記事では、漢方薬と西洋薬の基本的な違いから、使用する上での利点と欠点について、詳しく掘り下げていきます。
漢方薬と西洋薬の基本的な違い
起源と歴史
- 漢方薬は数千年にわたる中国の伝統医学にその起源を持ち、自然界から得られる植物や鉱物、動物の部位を用いています。
- 一方、西洋薬は近代科学に基づき、化学的に合成された成分を主に使用しています。
昔から使われている痛み止めであるアスピリンはヤナギの樹皮から得られるサリチル酸を基として副作用の少ないアセチルサリチル酸を作り出しました。
西洋薬は伝統的に使われているものや自然物から目標とする特定物質を余計なものを省いて抽出し、より効果を高め副作用を少なくしたものを科学的に合成して作り出してきました。
漢方薬は生薬に含まれる他成分系が複雑に含まれている状態のものを組み合わせて効果を高め、副作用を軽減しながら使用しています。漢方薬にも修治(しゅうち)という方法を用いて減毒化や異なる効果を得る方法などがあります。
アプローチの違い
- 漢方薬は体全体のバランスを整えることに焦点を当て、病気の根本原因を治療することを目指しています。
- 西洋薬は特定の症状や病気をターゲットにし、迅速な効果を求める傾向があります。
診断方法
- 東洋医学では、舌の状態や脈の取り方など、患者の体質や病状を総合的に診断します。
- 西洋医学では、血液検査や画像診断などの科学的な検査結果に基づいて診断を行います。
漢方では四診(ししん)と言って、望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診(もんしん)・切診(せっしん)と言った診察方法が採られています。
薬剤師では切診(せっしん)が割とネックで患者さんの身体に触れることが難しいです。脈診(みゃくしん)とか舌診(ぜっしん)くらいはお話し中に出来そうですね。
四診(ししん)についての詳しい話は別記事を書いていきたいと思います。
西洋薬のメリットとデメリット
長所
効果の即効性
- 西洋薬は特定の症状や疾患に対して即効性があり、短期間での症状緩和や病気の治療が期待できます。
- 急性の病気や重篤な状態に迅速に対応する必要がある場合、西洋薬は非常に有効です。
飲んで数十分で効く物も多く、数日で効果が出ることも珍しくありません。即効性が非常に高いと言えるでしょう。
科学的根拠に基づく治療
- 西洋薬は厳密な科学的研究と臨床試験に基づいて開発されます。
- その効果と安全性は証拠に基づいており、使用する際の予測可能性が高いです。
- EBM(Evidence-Based Medicine)として科学的な根拠に基づいた医療であると言われています。
プラセボ効果とかを排除したうえで効くものしか薬にはなれません。
現場では薬のプロモーションに来られたMRさん(医薬情報担当者)にエビデンスは?といった具合に質問します。
※プラセボ効果とは
偽薬(ぎやく)と呼ばれる薬としての効果をもたないものを飲んだ時に実際に病気が一定数治ってしまう効果。
いわゆる病は気からと言うやつで、〇〇という病気に特効薬が出たんです!もしかしたらあなたにも効くかも知れません!飲んでみませんか!?
と言った案内を受けて服用していくと病気が治るんです。
人間とは不思議な生き物で心の持ちようで病気になったり、病気が治ったりします。
つまり、心にストレスを受けて病んでしまうと病気になってしまうんです。ストレスケアが病気の治療には重要という事が分かりますね。
広範囲で多種多様な疾患への対応
- 抗生物質、抗炎症薬、抗がん剤など、西洋薬は幅広い疾患に対して効果的な選択肢を提供します。
- 特に、生命を脅かす疾患の治療には欠かせない存在です。
短所
副作用のリスクと耐性問題
- 西洋薬の使用は、時に重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
- 複数の西洋薬を併用することで、予期しない薬物相互作用が発生するリスクがあります。
- これは、治療効果の低下や予期せぬ副作用を引き起こす可能性があります。
- また、長期間の使用は耐性の発生や他の健康問題を引き起こすことがあります。
風邪を引いたから抗生物質を使うと言った状況を野放しにすると耐性菌と言われる抗生物質が効き難い細菌が誕生し、本当に困ったときに打つ手がなくなると言ったジレンマがあります。
※耐性とは
耐性を形成すると薬の効果が得られなくなってくるので非常に厄介です。
よく知られているのはセンノシドの長期投与により耐性です。
人間の体は楽をしよう、楽をしよう…と言う怠け体質のため、薬で便が出るなら僕自身は頑張らなくていいよね!じゃあ便出さなくていいや!と開き直ってしまうため飲んでいるうちに効果が減弱していきます。
そうするとドンドン際限なく薬の量が増えていきます。
腸刺激性の下剤で、飲んでいるとお通じが出やすくなるため便秘に悩む高齢者に好んで使われています。
医師の中にも患者が増やしてというので出すという目に余る状況
根本原因への対応の限界
- 西洋薬はしばしば症状を抑えることに重点を置いていますが、病気の根本原因に対処することは限られています。
- このため、症状の再発や継続的な薬の依存を招くことがあります。
症状や検査値が良くなったから薬を減らしたいんだけどどうしたらいい?とよく聞かれることがあります。
実際は薬を飲んでいるから症状が抑えられ、検査値が見た目上良くなっているだけに過ぎず、根本原因は放置されたままなので薬を飲み続ける必要があり、減らせないのです。
医療費が高騰しやすい
- 最新の西洋薬や特定の治療法は非常に高額なことがあり、医療費の負担が大きくなることが問題となっています。
- これは、患者にとって経済的な負担を増加させる原因となります。
薬価で見た時に1回の治療で平均的なサラリーマンの年収が吹き飛んだり、家1件買える様な注射薬があったりと凄まじいものがあります。
ピンポイントで希少疾患を治せるなど利点もあるのですが国民医療費負担額の激増を考慮すると両手をあげて歓迎出来ない現実となります。
某メーカーの抗がん剤(免疫チェックポイント阻害薬が正確)を例に出すと…Oプジーボにいい感じの薬価がついて、後から適応拡大されたことにより想定されていた使用量を遥かに超えてしまって利益もシビルドン昇り!
次の年には薬価が半額以下になりましたがその利益の象徴として…Oプジーボ御殿が建ったとかなんとかいう伝説もあります。
薬価とは?
国が決める薬の値段。開発にかかった費用や類似薬の有無、想定される患者数と使用量などから決められる。
1年毎の薬価見直しを経て徐々に値段が下げられていく。(以前は2年毎)
引き下げは薬価と卸値の差や使用量などを元にして下げられます。薬価と卸値の差が大きいものはメーカーが卸(おろし)に安く売っても利益が出せるということになるため積極的に引き下げ対象。
ちなみに…先発医薬品は薬価が高く卸値との差が大きいため薬価差益が生じる。病院、クリニック、薬局、ドラッグストアなどの利益の1つ。実は下手に後発医薬品を勧めるより先発医薬品を使いまくってもらう方が利益大きい。国民医療費負担を全力無視して自分たちの利益だけを追い求めると一番旨みがある。
最近は診療報酬見直しなどにより後発品をあまりにも使わないと減点されるので先発医薬品を勧めまくるのは若干不利となりました。令和4年の改定で下げ幅が拡大しました。
次の改定では先発品を飲みたい方の負担率を上げる案が出ています。1割しか払ってないのに高い薬を飲みたいとかいう人がいるから当然ですよね。じゃあ負担率上げさせてもらいますとなるわけです。
西洋薬のまとめ
西洋薬はその迅速な効果と広範な疾患への適用能力で現代医療において不可欠な役割を果たしていますが、副作用のリスクや症状の一時的な抑制、治療費の高騰などの問題も抱えています。
これらのメリットとデメリットを理解し、必要に応じて漢方薬とのバランスを考慮した治療を選択することが、患者にとって最良の健康管理につながります。
ふう…。長かった西洋薬のまとめも終わりました。
次のページからはみんなが待ちわびた漢方薬のまとめです!ぜひ最後までご覧ください!!!