【『薬屋のひとりごと』を漢方薬剤師が読み解く】気になる所3選!
いやはや…昔から権力者たちは毒殺などから免れるために銀食器を使用していたなんてすごい事です。
今でも銀食器なんて普通のご家庭にはないので…諦めるのがいいかも知れません。
それでは、さらに読み進めて行って他の気になるところを見ていきたいと思います。
それでは気になるところ3つめ!
猫猫が目を輝かせ狂喜乱舞しているシーンですね。
何に狂喜乱舞しているか分かった方はいますかね?
この後ろにある小さな引き出しがいっぱいついた物はなんなのか!?ですね。
これ、実はタンスなんです。
なんて名前かと言いますと、薬箪笥(くすりたんす)、薬味箪笥(やくみたんす)、百味箪笥(ひゃくみたんす)とか呼ばれています。この記事では薬味箪笥で話を進めていきます。
漢方薬で使用する生薬を保管するうえでなくてはならないものになります。
猫猫の実家にいるときの回想シーンでも薬味箪笥が映っていますが大きさが段違いで、それだけ多くの生薬を取り揃えて保管しているということに他なりません。
前置きがながくなってしまいましたが、薬味箪笥についてもう少し深堀していこうと思います。
漢方と共生する薬味箪笥
薬味箪笥は、漢方の世界においても特別な位置を占めています。
この箪笥は、生薬やハーブなどの保管に適しており、日本の家庭における伝統的な医学と深い関係があります。
薬味箪笥の構造とメンテナンスについて
多機能性とコンパクトさ
- 薬味箪笥は通常、複数の小さな引き出しを持つコンパクトな家具です。これにより、様々な種類の薬味や調味料を分類して収納することが可能になります。
- これにより、必要な時にすぐに所望のアイテムを見つけることができます。
- コンパクトなデザインにより、限られたスペースでも多くのアイテムを収納することが可能です。
1つ、1つの引き出しの中にそれぞれ生薬(しょうやく)が保管されています。
伝統的な木製構造
- ほとんどの薬味箪笥は木製で、通気性が良く、湿気を防ぐ特性があります。これは、保存する材料を新鮮に保つために重要な要素です。
- 木製の素材は湿気を調節し、直射日光を避けることで、薬味や調味料の品質を長持ちさせます。
生薬(しょうやく)って書いてあり、字を読んで如く生(なま)の薬(くすり)なので普通に保管しておくと腐ります。
カビが生えたり、虫に食われたり、有効成分が揮発しちゃって効果が薄れてしまうなんてこともあり得ます。
定期的な清掃
- 薬味箪笥は定期的に空にして、乾いた布で内部と外部を拭きます。
- 引き出しの隅々まで丁寧に掃除し、埃や食品の残りかすを取り除きます。
漫画では紙を下に敷いている描写がありますね。
どうしても水分や油分を多く含む生薬(しょうやく)もあるのでそのまま入れるとこびり付いちゃいます。使い切ったタイミングで綺麗に掃除することが重要ですね。
湿気対策
- 高温多湿または極端に乾燥した環境を避けます。
- 湿気を避けるため、箪笥を直射日光や熱源から離し、風通しの良い場所に置くことが望ましいです。